夏に注目されることが多いカレーですが、今年は寒い季節に体を温める料理としても、カレーが見直される傾向にあります。
冬にカレーをもりもり食べよう!!
近年は紅茶やレモネードなどにしょうがを入れたドリンクが女性を中心に人気を集めています。
しょうがのピリッとした辛さはアクセントになりますし、特に女性は冷え症の方が多いので、体を温めたり、喉によいとされるしょうがへの関心が高まっています。
しょうがを使ったお菓子が開発されたり、チューブ状のしょうがを持ち歩いて、何にでもかける人を指す“ジンジャラー”なる言葉も生まれています。
もともとカレーに入れるスパイスとしては欠かせないしょうが、そのしょうががブームとなったことから、カレーも再注目されているのです。
当研究所が、カレーに入れる中で体を温める効果があると注目するスパイスは、次の3種類です。
最近は料理にコクを出す素材として、ココアにも注目が集まっています。
ココアの保温効果について日本チョコレート・ココア協会がデータを発表しています。
<目黒西口クリニック・南雲久美子先生の研究発表概要>
調査はホットのココア、コーヒー、緑茶、アイスのココア、麦茶を用いて、飲んだ後の手先の温度変化を60分間に渡り調べました。ホット・アイスに共通して言えるのは、時間が経過してもココアは他の飲物より温度の低下が緩やかだということです。また、飲んでから40分ほど後に、手先の温度が再上昇するという、他の飲物にはない驚きの特徴も見られました。さらに指先の血流量に関しても調査を行ない、ホットではやはり他の飲物よりも穏やかに推移し、アイスでは飲んで10分後に血流量が大幅に低下するものの、その後、血流量が再上昇する結果も得られています。これらの結果から南雲先生は、ココアの冷え性改善効果に大きな期待を寄せています。
詳細はhttp://www.chocolate-cocoa.com/symposium/index.html
灼熱の国と言われるインドですが、北インドの冬は寒く、ニューデリーでは凍死者も出るほどです。だから体を温めるためにカレーを食べるという発想はインドにもあります。
その時によく使うスパイスは、しょうがとシナモンとクローブです。食材としてはホウレンソウ、大根、カリフラワーがよく使われます。肉は肉団子が好まれますが、胃が弱まる冬には、かたまり肉よりも消化がよいからでしょう。これらを使ったインド式の冬のカレーを食べると、体が芯から温まります。
私の教室ではよくカレーにココアを入れますが、色と味に深みが出て「本格的ですね」って生徒さんに喜ばれます。ココアにはしょうがほど強くはありませんが、血行をよくしたり、脳を活性化させたりする作用があるといわれますね。私はある本でバナナとミルクとココアを混ぜたジュースを紹介しました。夏場は冷房が効きすぎて、女性には寒いこともあるので、体が冷えすぎないようにと考えたのがこのジュースです。カレーを食べている最中に熱いココアはお薦めしませんが、食べ終わった後には辛さを中和させてくれる意味でも甘いココアはお薦めです。
これまでカレーを食べた後の飲み物には、水やインド式ドリンクのチャイやラッシーが定番でした。
ところが昨年くらいから、チャイやラッシーに代わってココアが人気台頭するなどその傾向に変化が表れています。